自動車整備で働く特定技能外国人のご紹介

みなさんこんにちは!
今日はつなぐっとが現在支援している、自動車整備会社に勤務する2名の特定技能外国人のご紹介と、自動車整備分野にまつわる状況を簡単にお伝えできればと思います。

特定技能外国人のプロフィール

福岡のとある整備会社で働いているAさん(バングラデシュ)とBさん(タイ)。二人は同じ会社の別の工場にて整備士として勤務しています。お二人とも技能実習生として別の職種で就労していましたが、技能実習2号を満了するタイミングで自動車整備の特定技能評価試験に受験し見事合格、無事自動車整備分野の特定技能外国人として働いてくれています。お二人は昨年入社の為まだ就職期間は1年弱ですが、これからの活躍に期待できる有望な人材です。

特定技能外国人の採用背景

皆様ご存じの通り、特定技能として雇用することが認められている14職種はいずれも人材不足が顕著であり、自動車整備においても例外ではありません。自動車整備分野で働く日本人の数は年々減少しており、採用活動は売り手市場まっしぐらといった感じです。現に弊社が自動車整備を学ぶ専門学校さんにいくつかご訪問させていただき就職担当の方とお話しましたが、どこの学校にも就職希望者の学生数を大きく上回る大量の求人票が学校に送られてきている現状であり、学校側もお断りせざるを得ない状況であるとのことでした。それほど自動車整備会社・自動車販売会社における整備士不足・社員不足は顕著であることがわかります。

今回の会社さんも長年自動車整備分野で働く日本人を募集していましたが、なかなか給与もディーラーや大手整備会社程払えないということもあり非常に採用に苦戦されていました。そこで特定技能評価試験に合格した外国人人材を特定技能のとして受け入れることに踏み切るに至りました。

入社後の働きぶり

現在彼らは自動車整備の専門学校を卒業した方とは違い、自動車整備の1級や2級といった資格を所持しているわけではないので1人で整備業務を請け負うことはできません。しかしながらそのような整備士資格をもった社員の横でサポートする形で業務をおこなっています。整備士資格を持たずともできる業務は限られますが、うまく企業側も有資格者と無資格者で業務を分担させることでバランスよく業務を与えることが出来ています。

彼らは非常にまじめな性格であり、自動車の整備に関われるとあって大きなやりがいをもって仕事ができていると言います。企業側からの評価も高く、日本人より勤勉で当然ながら無遅刻無欠席であり、率先して仕事を覚えようという姿勢も見れると評価を頂いております。整備と同じく労働力不足が指摘される板金業務においても「新たに外国人を入れてみてもいいんじゃないか?」といった声も社内で上がっていると聞き、彼らの活躍が社内の信頼と新たな道筋をつくっている点に非常に嬉しさと誇らしさを持ちました。

自動車整備分野を目指す外国人の現状

現状として、特定技能の自動車整備分野で働きたいと考える外国人の数は多いとは言えません。むしろ数は少ない方でしょう。なぜなら自動車の整備士としてスペシャリストになりたい人は、自動車整備の専門学校に通い「技術・人文知識・国際業務」の在留資格として家族と日本で同居しながら就労を希望する人が圧倒的多数だからです。

しかしながら、外国人の誰しもがそのような道に進めるわけではありません。自動車整備の専門学校に通うためには学費も相当に払う必要がありますし、当然入学試験があるため日本語能力も求められます(学校に寄りけりですが、N3,N2を入学の条件と課している学校もあります)。そうなると、彼らのような技能実習生として技術を学びに来た人たちにとってかなりハードルは高く、険しい道のりであることが言えます。だからこそ「特定技能の自動車整備として働けるだけでも十分有難い」という思いを持つ方も少なくありません。

また、彼らの母国であるバングラデシュやタイといった東南アジアでは、一昔前からかなりの数の日本の車が街中を走っており、品質の高い日本製の車の整備に携われることができることは彼らにとって非常に高いステータスであり、憧れでもあります。そのような理由から、日本が好き・車が好き、といった外国人にとっては非常に魅力的な仕事でもあるのです。

最後に

現在、政府も有識者会議をおこない技能実習や特定技能の制度改正について議論が重ねられており、市場の変化も少なからず起きるとみています。今後14職種すべて特定技能2号に移行を検討されているということも耳にしますし、外国人の方々にとっても興味あるトピックかと思います。

弊社としても、オフィシャルな情報が入ってきた際にはご登録いただいている外国人の方々に周知をおこない、自分の将来の働き方やビジョンについて今一度考えてもらう機会を作る予定です。彼ら2人のように日本で就職することを選んでくれたことに感謝し、これからも外国人の方々が安心して働ける未来をつくっていきたいと思います。

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